さよなら、美しい人

7月18日土曜日 

午後から映画を見に行った、エミリオ・エステベス監督のパブリック。

そこそこの入り、アメリカらしい映画だった。

15時過ぎ、観終わってロビーに出て、スマホの電源を入れた。

そこには、信じたくないような文字が浮かんでいた。

俳優が死んだという文章だった。

呆然とした。

死んだって何?自死って何?

何が起こったのか、理解が出来なかった。

だって、2日前せかほし放送したじゃん!

24日にMステ出るって言ってたんじゃん!

9月からの主演ドラマのwebコメント公開したばっかじゃん!

日本製発売したよね…。

 

美しくて輝いて才能にあふれている。

そんな人に見えた。

でもそれは、一面でしかなくて、本当の彼がどんな人だったのか、

どんな想いで生きていたのかはわからない。

自分の本当の気持ちなんて、自分自身でもわからない。

疲れてしまったのか、何かのきっかけで折れてしまったのか。

彼にとって死を選んだ瞬間の世界は美しくも優しくもなかったかもしれない。

ふいに死にたくなった、ただそれだけかもしれない。

 

かもしれない。

でもね、やっぱり生きていてほしかったよ。

30歳。

俳優としても歌手としても、きっと、もっともっと羽ばたけた。

ブロードウェイで主演だってはれたかもしれない。

ああ、またかもしれない、だ。

この先のあったかもしれない可能性を考えると涙が出る。

 

今はただ、優しい場所で、ゆっくり休んでください。

 

ありがとう、さよなら、美しくて優しかった、そして多分少しだけ弱かった人。